研究課題
本研究課題の内容は、来るべき精密宇宙論時代に要求されるデジタル画像解析精度を達成しえる高精度画像解析技術を開発することである。その意義と重要性は以下のとおりである。Weak lensing power spectrumは、宇宙膨張を含む宇宙の進化、すなわち宇宙の構成物質の量とその進化を測定する有効な手段である。しかし近年の研究により第2ピクセル化効果と呼ばれる現象により、weak lensing解析にとって最も重要な要素である天体の形状測定に問題を生じることが明らかになった。本研究では第2ピクセル化効果を生じさせる画像のmappingを伴うプロセスをそれを伴わないプロセスで置き換えた新たな画像解析技術を開発し、weak lensing power spectrumの精密測定を可能にする。平成21年度においては新規形状測定アルゴリズムの開発とシミュレーションデータの開発を行った。新規形状測定アルゴリズムの開発については、ウェーブレット解析法に基づいた形状測定法とベイジアン統計に基づいた手法の検討を行った。両者とも長所短所があるのでシミュレーションデータを用いて実際的な性能の検証が必要である。シミュレーションデータの開発については大規模N体計算結果からweak lensing ray-tracingの数値計算を行い標準的宇宙モデルに基づいたweak lensingデータベースを作成した。これを元に擬似撮像データを作成する計画である。
すべて 2009
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