研究課題
本研究ではすざく衛星とフェルミ衛星を同時に用いた超広帯域ガンマ線バースト観測により、ガンマ線バースト付随のジェットの構造を探ることを行う。本年度はフェルミ衛星の観測が軌道に乗り、多くの科学的成果が得られた。およそ1年半の観測でフェルミ衛星はすでに過去すべての検出例を上回る17例のガンマ線バーストから高エネルギーガンマ線放射を検出し、高エネルギーガンマ線が低エネルギーガンマ線に対して遅れて発生し、継続時間が長いこと、スペクトルも別の成分であることを多くのガンマ線バーストから発見した。この結果からガンマ線放射メカニズムに迫ることができると期待される。また、ガンマ線バーストとしては過去最高エネルギーのガンマ線も検出しており、この情報からジェットの運動速度がローレンツ因子にして1000以上であることを明らかにした。これらのガンマ線バースト関連の成果に加えて、最高エネルギーガンマ線と低エネルギーガンマ線の到来時間差を実測することでいくつかの量子重力理論の枠組みに厳しい制限を初ぬて与えるなど、基礎物理学の分野に対しても大きなインパクトを与えた。これらの成果はネイチャー誌など、多くの科学雑誌で発表するとともに、日本においてもJAXAから記者会見を行ない、いくつかの新聞や雑誌「ニュートン」や天文月報においても紹介された。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (11件) 備考 (1件)
ニュートン 30巻2号
ページ: 10-10
天文月報 103巻5号
ページ: 315-323
ISASニュース 3月号
ページ: 1-3
サイエンス誌に載つた日本人研究者2009
ページ: 46-46
Nature 462
ページ: 331-334
http://www-heaf.hepl.hiroshima-u.ac.jp/glast/091028press/091028press.html