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2009 年度 実績報告書

経路積分モンテカルロ法によるメゾスコピック素子の動的応答解析

研究課題

研究課題/領域番号 21740220
研究機関東京大学

研究代表者

加藤 岳生  東京大学, 物性研究所, 准教授 (80332956)

キーワード物性理論 / メゾスコピック系 / 量子ドット / 量子コンピュータ / 量子細線
研究概要

本年度は主要な研究目的である量子ドット系の動的応答の理論「研究を主に推し進めた。まず朝永ラッティンジャー流体中の共鳴状態を量子モンテカルロ法によって調べ、クーロン振動のピーク幅の特異な温度依存性を明らかにした。さらにラッティンジャーパラメータと量子ドットーリード間の結合強度を変えたときに生じる量子相転移についても議論した。さらに動的特性について調べるために、量子ドットの交流応答を量子モンテカルロ法、摂動論、繰り込み群などの手法を組み合わせ、温度ゼロにおける緩和抵抗の値を調べた。その結果、量子ドットーリード間の結合強度に依存せず、緩和抵抗はh/e^2という普遍的な値をとり、量子ドット内の帯電効果は影響を与えないことがわかった。さらにリード内の電子間相互作用を考え、ラッティンジャーの指数を変化させていくと、ある値で量子相転移が生じ、伝導プロセスが根本的に変化して、緩和抵抗が発散することを初めて示した。これは分数量子ホール効果のエッジ状態でつくられた量子ドットにおいて観測可能であると期待される。この結果は原著論文にまとめられ、まもなく出版予定となっている。さらに現在、量子ドットのスピン自由度までとりいれた計算を検討しているところである。また量子ドットでの非平衡状態を理論的に研究するために、バーテックス補正をとりいれたダイアグラム近似計算の手法を試み、アンダーソン模型へ適用した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Nonequilibrium Extension of Onsager Relations for Thermoelectric Effects in Mesoscopic Conductors2010

    • 著者名/発表者名
      E.Iyoda, Y.Utsumi, T.Kato
    • 雑誌名

      J.Phys.Soc.Jpn. 79

      ページ: 045003

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dynamic response of a mesoscopic capacitor in the presence of strong electron interactions2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Hamamoto, T.Jonckheere, T.Kato, T.Martin
    • 雑誌名

      Phys.Rev.B 81(In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] 保存近似の逐次的改良によるアンダーソン模型の数値手法開発2010

    • 著者名/発表者名
      伊與田英輝、加藤岳生
    • 学会等名
      日本物理学会第65回年次大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2010-03-21
  • [学会発表] 分数量子 Hall 領域における量子ドット系の緩和抵抗2010

    • 著者名/発表者名
      濱本雄治、加藤岳生
    • 学会等名
      日本物理学会第65回年次大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2010-03-20
  • [学会発表] 朝永-Luttinger 液体の共鳴トンネリングにおける Kosterlitz-Thouless 転移の解析2009

    • 著者名/発表者名
      濱本雄治、加藤岳生
    • 学会等名
      日本物理学会2009年秋季大会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      2009-09-25

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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