極低エネルギー光電子分光による多数f電子系重い準粒子状態の直接観測と形成起源解明

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21740235
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 物性Ⅰ
• 研究機関: 甲南大学
• 研究代表者: 山崎 篤志 甲南大学, 理工学部, 准教授 (50397775)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2010
• キーワード: 光物性 / 光電子分光 / 強相関電子系

研究概要

微小試料に対する測定のため,本学に設置されている光電子分光装置にトロイダル鏡とアパーチャを設計・導入することで,hv=8.5eVから40.8eV,温度10Kから室温,ビームスポットサイズφ0.5mmからφ2mmでエネルギー分解能が(最高)5meV程度の実験が可能になった.上記の装置と放射光利用によるバルク敏感光電子分光実験から,これまでの報告より大きな擬ギャップの形成を観測し,複数のf電子系化合物の電子構造が不純物アンダーソンモデルの枠組みの中で理解できることを示した.

研究成果

• [雑誌論文] Electron correlation in the FeSe superconductor studied by bulk-sensitive photoemission spectroscopy (2010)
  • 著者名/発表者名: A.Yamasaki, Y.Matsui, S.Imada, K.Takase, ほか計21名
  • 雑誌名: Physical Review B 82 ページ: 184511-1-184511-7
  • 査読あり
• [雑誌論文] Structural and physical properties of FeSe crystals fabricated by the chemical vapor transport method (2010)
  • 著者名/発表者名: Y.Hara, K.Takase, A.Yamasaki, H.Sato, N.Miyakawa, N.Umeyama, S.I.Ikeda
  • 雑誌名: Physica C 470, Suppl.1 ページ: S313-S314
  • 査読あり
• [学会発表] 鉄系超伝導体FeSeのバルク敏感光電子分光 (2010)
  • 著者名/発表者名: 松井陽平
  • 学会等名: 日本物理学会
  • 発表場所: 大阪府立大学
  • 年月日: 2010-09-24
• [学会発表] Hard and soft x-ray photoemission spectroscopy of A_2V_8O_<16>(A=K, Rb) (2010)
  • 著者名/発表者名: A.Yamasaki
  • 学会等名: the 37th International Conference on Vacuum, Ultraviolet and X-ray Physics
  • 発表場所: バンクーバー(カナダ)
  • 年月日: 2010-07-13
• [学会発表] ホーランダイト型バナジウム酸化物のバルク電子状態 (2010)
  • 著者名/発表者名: 山崎篤志
  • 学会等名: 日本物理学会
  • 発表場所: 岡山大学
  • 年月日: 2010-03-21
• [学会発表] Bulk-Sensitive Photoemission Study of FeSe Superconductor (2009)
  • 著者名/発表者名: A.Yamasaki
  • 学会等名: The International Conference on Magnetism
  • 発表場所: カールスルーエ(ドイツ)
  • 年月日: 2009-07-30