高温超伝導体に見られる異常なネルンスト効果の起源を調べるために、La系高温超伝導体のストライプ秩序の強さを様々に制御し、ネルンスト効果を測定した。その結果、ストライプ転移温度T_ch~75Kにおいて明らかにネルンスト効果が増大することを見出した。また、ストライプを強くしていくと超伝導が抑制されるために、超伝導揺らぎが起きる温度T_fl^~ 50K以下でネルンスト効果が大きく減少することを見出した。これらの結果より、競合する秩序が交わる点(Quantum Critical Point)の近傍で超伝導が起こっていることが示された。
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