研究課題
本研究を推進する上で重要な装置である、液化ガスを液化アルゴンなどの液化不活性ガスを貯留できるクライオスタットを作製し、このクライオスタット中でダイヤモンドアンビルセルをセットし加圧することができる温度可変プローブの製作を行った。加圧テストや液体窒素の封入試験も行い装置が十分な性能を満たしていることも確認した。また、装置の改良も行い、これまで使用していたブリッジマン型高圧装置にも液体窒素などを圧力媒体として導入可能となった。これにより、低圧下(約1GPa)から高圧下(10GPa)までの広い範囲で静水圧性の高い実験が可能となった。実験としては圧力誘起超伝導体であるCePd_5Al_2やCeCoGe_3の詳細な圧力下電気抵抗測定から上部臨界磁場H_<c2>の異方性について明らかにするとともに、結晶構造に反転対称性を持たない化合物CeIrGe_3の超高圧下電気抵抗測定で20GPaという非常に高い圧力下で重い電子系超伝導があらわれることを見いだした。CeIrGe_3の結果についてはPhysical Review B誌において注目論文として紹介された。さらに、新たな重い電子系物質としてYbT_2Zn_<20>(T:遷移金属)化合物で非常に興味深い重い電子系特有のメタ磁性が現れることを見いだした。この中でYbIr_2Zn_<20>に着目してメタ磁性の圧力効果を調べることにより、メタ磁性転移磁場が量子臨界点への新たな指標となり得ることを見いだし、現在詳細な研究を継続して行っているところである。
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