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2010 年度 実績報告書

核磁気共鳴と誘電率測定によるカーボンナノチューブ内に吸蔵した水の構造と挙動の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21740262
研究機関首都大学東京

研究代表者

松田 和之  首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (60347268)

キーワード核磁気共鳴 / カーボンナノチューブ / 水 / 分子挙動 / 相転移 / 吸着 / ナノサイエンス
研究概要

本研究では単層カーボンナノチューブ(SWCNT)内部の1次元的空間に閉じ込められた水の挙動がSWCNT直径によりどのように変化するのかを、1^H,2^H核磁気共鳴(NMR)、x線回折実験、計算機シミュレーションにより系統的に調べた。昨年度、比較的太いSWCNTに吸着した水がwet-dry相転移を起こすことを見いだしていたが、今年度は平均直径1.68,2.0,2.2,2.4nmの4種類のSWCNTについて、系統的なNMRとX線回折実験を行うことによりwet-dry相転移温度を決定し、その直径依存性は直径が大きくなるにしたがい上昇することを明らかにした。直径領域1.1nm<D<1.5nmの比較的細いSWCNTに関しては、水が内部で液体-固体相転移を起こし多員環氷"アイスナノチューブ"を形成することを既に報告していたが、このうち7,8員環のアイスナノチューブでは、SWCNTの水吸着量が大きい場合、アイスナノチューブ内部空洞にさらに水分子の1次元チェーンが形成されることを新たに見いだした。これら実験で得られた水の相転移挙動をもとにSWCNT内部の水のグローバル相図を決定した。奇数環アイスナノチューブは強誘電体の性質を有することが古典分子動力学に基づく計算機シミュレーションにより示されたが、現在のところ誘電率測定により誘電特性を測定するまでには至っていない。また、チューブ軸方向に電場を印加した場合のアイスナノチューブの誘電分極過程は、アイスナノチューブを構成する水分子のチェーン構造のため、階段状の変化を示すことを計算機シミュレーションにより予測しており、これらアイスナノチューブの誘電特性を実験的に検証する研究を今後展開する計画である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Global Phase Diagram of Water Confined on the Nanometer Scale2010

    • 著者名/発表者名
      H.Kyakuno, K.Matsuda, H.Yahiro, K.Yanagi, Y.Maniwa, et al.
    • 雑誌名

      ournal of the Physical Society of Japan

      巻: 79 ページ: 083802-1-083802-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Transport Mechanisms in Metallic and Semiconducting Single-Wall Carbon Nanotube Networks2010

    • 著者名/発表者名
      K.Yanagi, H.Udoguchi, S.Sagitani, Y.Oshima, T.Takenobu, H.kataura, T.Ishida, K.Matsuda, Y.Maniwa
    • 雑誌名

      ACS Nano

      巻: 4 ページ: 4027-4032

    • 査読あり
  • [学会発表] SWNTに内包された水のグローバル相図2010

    • 著者名/発表者名
      客野遥, 松田和之, 八尋瞳, 宮田耕充, 柳和弘, 真庭豊, 片浦弘道, 斎藤毅, 飯島澄男
    • 学会等名
      第39回フラーレン・ナノチューブ総合シンポジウム
    • 発表場所
      京都大学(京都府)
    • 年月日
      2010-09-07

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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