研究概要 |
グラファイト上に2次元4^He固体(面密度n_<4He>)を作成し,ねじれ振子法でその非古典的回転慣性(NCRI)を測定した.NCRIのn_<4He>依存性,ねじれ振動速度V_<osc>依存性から2次元4^He固体の相図を作成し,NCRIの起源,固体の超流動的振舞いの起源を探った.18.19 atoms/nm^2以上で初めて有限のNCRIが観測され,n_<4He>の増加に伴いNCRIは増加してゆくが,18.67atoms/nm^2程度で山を持ち,それ以上では減少に転ずる.さらに,n_<4He>が19 atoms/nm^2を越えたあたりから超流動薄膜によるNCRIが観測された.また,このn_<4He>が18-19 atoms/nm^2の試料では,V_<osc>の増加に伴いのNCRIが減少するという,バルク固体4^Heで見られる『個体の超流動的』な振舞いと一致する挙動が見られた.このことは面密度18-19 atoms/nm^2付近において,2次元^4He固体における固体の超流動が実現していることを示唆している.
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