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2010 年度 実績報告書

密度行列繰り込み群法の拡張による2次元量子多体系の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21740277
研究機関北海道大学

研究代表者

引原 俊哉  北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (00373358)

キーワード密度行列繰り込み群法 / MERA法 / 量子スピン系 / 強相関電子系 / フラストレーション
研究概要

二次元フラストレート量子スピン系への適用に向けたMultiscale Entanglement Renormalization Ansatz(MERA)法のコード開発とアルゴリズム改良を行った。また、二次元フラストレート系の準一次元対応系としてのジグザグ梯子量子スピン系の研究を行った。特に後者においては、朝永=Luttinger流体パラメータの相互作用パラメータおよび磁場への依存性などを明らかにすることで、系を記述する定量的低エネルギー有効理論を構築するなどの成果を得た。これらの結果は、二次元フラストレート系の数値解析を行うに当たって基礎となる知見を与えるものであり、今後の研究の発展に資するものと言える。
さらに、量子スピン系の基底状態におけるエンタングルメント・エントロピーについて調べ、モデルハミルトニアンのエネルギースケールを空間的に変調させることで、エンタングルメント・エントロピーの振る舞いを劇的に変化させることができることを示した。特に、臨界状態にある一次元量子スピン系においては、系のエネルギースケールを正弦関数の二乗で表される関数に従って変調させることで、解放端条件下にある系の基底状態を、周期境界条件下の系の基底状態と一致させることができることを発見した。エンタングルメント・エントロピーの振る舞いは、系の次元性および数値計算に必要な計算量と密接に関係しているため、エンタングルメント・エントロピーの制御可能性を示した本研究の結果は、本課題の研究対象である高次元フラストレート量子多体系に対する数値計算法の開発に大きく寄与するものと期待される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Connecting distant ends of one-dimensional critical systems by a sine-square deformation2011

    • 著者名/発表者名
      Toshiya Hikihara, Tomotoshi Nishino
    • 雑誌名

      Physical Review B

      巻: vol.83 ページ: 060414

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Field and temperature dependence of NMR relaxation rate in the magnetic quadrupolar liquid phase of spin-1/2 frustrated ferromagnetic chains2011

    • 著者名/発表者名
      Masahiro Sato, Toshiya Hikihara, Tsutomu Momoi
    • 雑誌名

      Physical Review B

      巻: vol.83 ページ: 064405

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Magnetic phase diagram of the spin-1/2 antiferromagnetic zigzag ladder2010

    • 著者名/発表者名
      Toshiya Hikihara, Tsutomu Momoi, Akira Furusaki, Hikaru Kawamura
    • 雑誌名

      Physical Review B

      巻: vol.81 ページ: 224433

    • 査読あり
  • [学会発表] Columnar dimer phase in the frustrated spin ladder2010

    • 著者名/発表者名
      T. Hikihara, O. A. Starykh
    • 学会等名
      International conference Highly Frustrated Magnetism 2010 (HFM2010)
    • 発表場所
      ボルチモア(アメリカ)
    • 年月日
      20100801-06
  • [学会発表] Entanglement entropy in 1D critical system with open boundaries and sinusoidal deformation2010

    • 著者名/発表者名
      T. Hikihara
    • 学会等名
      New Development of Numerical Simulations in Low-Dimensional Quantum Systems : From Density Matrix Renormalization Group to Tensor Network Formulations
    • 発表場所
      京都大学基礎物理学研究所(京都市)
    • 年月日
      2010-10-27
  • [学会発表] S=1/2 XXZ量子スピン鎖におけるダイマー相関関数振幅2010

    • 著者名/発表者名
      引原俊哉, 古崎昭, Sergei Lukyanov
    • 学会等名
      日本物理学会2010年秋季大会
    • 発表場所
      大阪府立大学(堺市)
    • 年月日
      2010-09-25

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公開日: 2012-07-19  

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