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2009 年度 実績報告書

量子可解模型の相関関数と動力学

研究課題

研究課題/領域番号 21740281
研究機関筑波大学

研究代表者

有川 晃弘  筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 研究員 (60402814)

キーワード動的相関関数 / 統計性 / 可解模型 / 素励起描像 / Bethe仮説
研究概要

(1)1次元スピンレスフェルミオン系の1粒子スペクトル関数をBethe仮説法を用いて十分大きい系での精度の良い結果を得た。Jordan-Wigner変換によりHeisenberg模型と同じ熱力学性質を持つがフェルミオン・ボソンの統計性の違いにより、密度相関関数とは異なり、1粒子スペクトル関数に違いが現れることを具体的に示した。低エネルギー領域では朝永-Luttinger流体の性質からスペクトル強度は連続的な構造をもつと期待されるが、デルタ関数ではないが、それに近い、鋭い1粒子(ホール)的なスペクトル強度を持つことを示した。さらに高エネルギー領域での束縛状態の寄与が大きいことを直接確かめた。本研究で得られた1粒子スペクトル関数は角度分解(逆)光電子分光により観測される物理量である。
(2)逆2乗に比例する相互作用を持つ可解である、Sutherland模型では動力学における素励起が分数統計に従う自由粒子で表されることが知られている。この模型の「相対論」的な拡張であるRuijsenaars-Schneider模型の1粒子付加スペクトル関数の解析形をMacdonald対称多項式に関する数学公式を用いることで、共形場理論で記述される低エネルギー極限を超えて、全エネルギー領域で得られた。未だ熱力学極限での一般式は得られていないが、一般の有限系での表式から「相対論」的な拡張された場合でも素励起が分数統計に従う自由粒子で表されることを示した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Spectral Properties of Interacting One-Dimensional Fermions2010

    • 著者名/発表者名
      M.Kohno, M.Arikawa, J.Sato, K.Sakai
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan 79

      ページ: 043707(1-4)

    • 査読あり
  • [学会発表] Particle propagator of trigonometric Ruijsenaars-Schneider model II2010

    • 著者名/発表者名
      有川晃弘
    • 学会等名
      日本物理学会 第65回年次大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2010-03-21
  • [学会発表] 1次元スピンレスフェルミオン系のスペクトル関数2009

    • 著者名/発表者名
      有川晃弘, 佐藤純, 河野昌仙, 堺和光
    • 学会等名
      日本物理学会 秋期大会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      2009-09-28
  • [学会発表] Spectral function of one dimensional spinless fermion system2009

    • 著者名/発表者名
      有川晃弘
    • 学会等名
      Infinite Analysis 09
    • 発表場所
      京都大学 理学部
    • 年月日
      2009-07-29

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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