• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

多粒子系における系の界面運動と粒子の集団運動との競合

研究課題

研究課題/領域番号 21740293
研究機関早稲田大学

研究代表者

山崎 義弘  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10349227)

キーワード統計物理学 / 非平衡・非線形物理学 / 数理モデル
研究概要

ドメイン成長現象は乾いた布への水の染み込みといった物理系だけでなく、バクテリアコロニーの成長といった生物系でも観られる普遍約な現象である。このようなドメイン成長は、ドメインの内と外を分ける境界の運動として捉えることができ、一つの定式化として、フェーズ・フィールドモデルがよく用いられる。このモデルにおいては一般に、いま考えている空間の各点に状態変数(Phase field>を定義し、ドメインの内と外で状態変数が異なる値を取るように設定する。
ここで、ドメインの境界は状態変数が急激に変化している領域で表すことができ、境界の運動は空間全体での状態変数の時間発展式(偏微分方程式)で記述される、我々は、境界運動の一例として、2枚の板に挟まれた水が蒸発することに伴う水-空気境界の運動に着目し、先ず、この境界運動がフェーズ・フィールドモデルで再現可能であることを確認した。次に、境界運動にを阻害する効果を考慮するために、水に粉粒体(コーンスターチ)を混合した液体を2枚の板に挟み、乾燥させることによる水-空気境界の運動を観察した。その結果、混合した粉粒体の割合により、境界運動の様子が大きく変わることを確認した。実際、混合した割合が少ないとき、粉粒体は境界の運動に対し、ピンニング(pinning)の効果として働く。徐々に混合の割合を増やしていくと、割合に応じて、(1)反応拡散系で記述可能な領域、(2)迷路状パターンが現れる領域、(3)乾燥破壊領域と分類できることがわかった。
特に、我々は、迷路状パターンが現れる領域に着目し、フェーズ・フィールドモデルに粉粒体の運動方程武を結合したモデルを構築、シミュレーションによる実験結果の再現を行い、得られた結果の統計的性質を調べた。その結果、パターンには自己アフィン性の存在することが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 界面運動と多粒子の集団運動との競合によるパターン形成2011

    • 著者名/発表者名
      山崎義弘
    • 学会等名
      応用数理コロキウム
    • 発表場所
      大阪市立大学(大阪)
    • 年月日
      2011-09-15
  • [学会発表] 界面運動と粉粒体の集団運動との相互作用によるパターン形成過程2011

    • 著者名/発表者名
      小村真也、山崎義弘
    • 学会等名
      早稲田大学先進融合クラスター
    • 発表場所
      早稲田大学(東京都)
    • 年月日
      2011-08-01
  • [図書] パターン形成現象の数理モデリング(複雑系叢書6.コンプレックス・ダイナミクスの挑戦)2011

    • 著者名/発表者名
      山崎義弘
    • 総ページ数
      39
    • 出版者
      共立出版

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi