研究課題
・TDDFTによる電子波動関数の時間発展とHellmann-Faynman力によるイオンへの力の計算からレーザー照射によるシリコンのコヒーレントフォノン生成過程のシミュレーションを行った。その結果ラマン活性な方向と平行に偏光したレーザーでコヒーレントフォノンが生成することが分かった。・近年静的計算で提案された運動量密度を利用した交換ポテンシャルを用ることで誘電体のバンドギャップを大きく改善し、実時間計算に実装することに成功した。その結果誘電関数の実時間計算が大幅に改善し、実験結果を再現することができた。・ダイアモンドからの高次高調波を計算し、カットオフエネルギーがレーザーの電場強度に一次でスケールされることを明らかにした同様の結果は2010年の実験研究の報告と定性的に一致する。さらに一次元コードを開発し軽い計算による解析から伝導帯への電子励起確率と伝導帯の構造からくる各バンドでのブロッホ振動数がカットオフを決める要因である可能性がある事を明らかとした。・エタノール分子のレーザーイオン化の偏光依存性を調べた。その結果特定の方向ではHOMOより深い軌道からのイオン化率がHOMOより大幅に大きくなることが分かった。またこのイオン化は多光子過程が主要な過程であり、分子極性による束縛エネルギーの変化と分子軌道の形状が大きな要因であることが分かってきた。
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Journal of Physics : Condensed matter
巻: 22 ページ: 384204-1-384204-4
巻: 22 ページ: 384212-1-384212-4
Physical Review B
巻: 82 ページ: 155110-1-155110-10