研究概要 |
界面活性剤水溶液では界面活性剤分子の疎水基が結晶化するクラフト温度以下で、ゲル状の2分子膜ラメラドメインが過剰水中でmmスケールの構造を形成し、ゾルあるいはゲル状の性質となる。申請者は非イオンのポリオキシエチレン系界面活性剤C16E6,C16E7(C16H33(OC2H4)6 or 70H)に注目し、本研究費申請における21年度での研究では、主にクラフト温度以下で現れるμmスケールの構造およびその形成過程を共焦点顕微鏡により調べてきた。その結果、C16E7系では球状のベシクル構造を、C16E6系では2次元膜のネットワーク構造を持つゲルとなり、これまでに報告されていない新しい形態であることを見出した。さらに、構造形成過程の観察から、球になる場合とネットワーク構造になる場合で初期のドメイン形態は共に円盤状であり、球として閉じるかネットワーク構造を形成するかは円盤状ドメインの線張力の違いが影響しているものと考えられる。
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