研究概要 |
界面活性剤水溶液では界面活性剤分子の疎水基が結晶化するクラフト温度以下で、ゲル状の2分子膜ラメラドメインが過剰水中でμmスケールの構造を形成し、ゾルあるいはゲル状の性質となる。申請者は非イオンのポリオキシエチレン系界面活性剤C_<16>E_6,C_<16>E_7(C_<16>H_<33>(OC_2H_4)_6 or7_OH)に注目し、C_<16>E_7系では球状のベシクル構造を、C_<16>E_6系では2次元膜のネットワーク構造を持つゲルとなり、これまでに報告されていない新しい形態であることを見出した。本研究費申請における22年度での研究では、C_<16>E_6,C_<16>E_7混合系におけるμmスケールの構造およびその形成過程を共焦点顕微鏡により調べてきた。その結果、C_<16>E_7の混合割合が80%程度になるとネットワーク構造とベシクル構造の共存状態になることを見出し、球として閉じるかネットワーク構造を形成するかはラメラメインの線張力エネルギーと膜の曲げ弾性エネルギーとの競合で説明できることが分かった。
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