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2010 年度 実績報告書

地震波干渉法による火山体地下構造の時間変化

研究課題

研究課題/領域番号 21740319
研究機関東京大学

研究代表者

青木 陽介  東京大学, 地震研究所, 助教 (90376624)

キーワード地震波干渉法 / 地下構造 / 波動伝搬
研究概要

主に海洋を起源とする脈動や,地震波の散乱によって生み出されるコーダ波などのランダムな波動場は,観測点間の相互相関をとることにより,地下構造やその時間変化を観測することができる.本年度は,この手法を用いて浅間山の地下構造およびその時間変化を求めることに成功した.まず最初に,2005年から2007年にかけて観測された脈動を用いて浅間山およびその周辺を伝わるレイリー波を抽出し,その伝搬速度から,浅間山周辺のS波速度構造を求め,浅間山西側深さ5-10kmに顕著な低速度領域を発見した.この低速度領域は,2004,2008-2009年の火山活動で貫入した岩脈(ダイク)および,過去に繰り返し貫入して冷え固まって作られたと思われるダイク,および2009年2月の噴火に同期して収縮したダイクの領域の下部に位置するため,マグマだまりを示すと思われる.マグマだまりの水平差し渡しは10km弱であり,地震学的にこのような小さなマグマだまりが見つかったのは初めてである.また,同手法により浅間山周辺の地震波速度構造の時間変化も見積った.浅間山周辺で発生した300個あまりの地震のコーダ波の相互相関をとることにより,観測点間の波動伝搬を抽出して速度変化を見積もった.その結果,2008年噴火に先立ち,約1.5%の速度減少があり,その速度減少が回復した後に噴火が発生したことが分かった.この速度減少および回復の期間は,地殻変動および地震観測により推定されるダイク貫入の時期よりも明らかに早く,この速度変化のメカニズムは今後検討が必要である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Temporal change of phase velocity beneath Mt.Asama, Japan, inerred from coda wave interferometry2010

    • 著者名/発表者名
      長岡優
    • 雑誌名

      Geophysical Research Letters

      巻: 37 ページ: doi:10.1029/2010GL045289

    • 査読あり
  • [学会発表] Temporal change of phase velocity beneath Mt.Asama, Japan, inferred from coda wave interferometry2010

    • 著者名/発表者名
      青木陽介
    • 学会等名
      米国地球物理学会秋季大会
    • 発表場所
      米国サンフランシスコ市
    • 年月日
      2010-12-14
  • [学会発表] コーダ波干渉法による浅間山直下の位相速度の時間変化2010

    • 著者名/発表者名
      長岡優
    • 学会等名
      日本地震学会秋季大会
    • 発表場所
      広島市広島国際会議場
    • 年月日
      2010-10-29

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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