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2011 年度 実績報告書

地震派干渉法による火山体地下構造の時間変化

研究課題

研究課題/領域番号 21740319
研究機関東京大学

研究代表者

青木 陽介  東京大学, 地震研究所, 助教 (90376624)

キーワード地震波干渉法 / 地震波速度構造 / マグマ供給経路 / 表面波
研究概要

海洋波浪起源のノイズや地震記録のコーダ部分などはランダム信号と呼ばれているが、2つの観測点で記録されたランダム信号の相互相関をとると、あたかも片方の観測点を震源、もう片方の観測点を観測点とするような地震波伝搬記録が得られる。この特性を利用して、活火山における地震波速度構造およびその時間変化を求める研究を行った。
我々は豊富な地震観測が行われている浅間山のデータを用いて、地震波速度構造およびその時間変化を求めた。まず、各観測点の上下成分の地震記録の相互相関をとることにより、観測点間の地震波伝搬を抽出した。抽出された地震波はレイリー波であるので、そこからS波速度構造を求めることができる。このようにして、我々は山体西部の深さ5-10kmにおいて顕著な低速度領域を発見した。この低速度領域は直径5kmもしくはそれ以下という小さなものであり、走時トモグラフィなどの従来の方法では検出が不可能と考えられる。地殻変動観測や人工地震を用いた浅部地震波速度構造などと組み合わせることにより、本研究により抽出された低速度領域はマグマだまりであると推定した。
また、我々は地震記録のコーダ部分を用いて、浅間山の火山体全体を平均したレイリー波位相速度の時間変化を推定した。レイリー波位相速度は、2008-9年噴火に1年ほど先立って1%ほどの顕著な低下を見せている。これは、地殻変動データによって推定されるマグマ貫入よりも先行するものであり、求められた速度変化のメカニズムは明確にはなっていない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Seismic imaging of magma chamber beneath an active volcano2012

    • 著者名/発表者名
      Nagaoka, Y., Nishida, K., Aoki, Y., Takeo, M., Ohminato, T
    • 雑誌名

      Earth and Planetary Science Letters

      巻: 1-8 ページ: 333-334

    • DOI

      doi:10.1016/j.epsl.2012.03.034

  • [雑誌論文] Monitoring volcano using seismic noise correlations2011

    • 著者名/発表者名
      Brenguier, F., Clark, D., Aoki, Y., Shapiro, N. M., Campillo, M., Ferrazini, V
    • 雑誌名

      Comptes Rendus Geoscience

      巻: 343 ページ: 633-638

    • DOI

      doi:10.1016/j.crte.2010.12.010

  • [学会発表] 脈動記録を用いた浅間山の地殻内速度構造の推定2011

    • 著者名/発表者名
      青木陽介
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合大会
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉市)
    • 年月日
      2011-05-23

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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