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2011 年度 実績報告書

高解像度海洋モデルを用いた渦熱輸送の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21740336
研究機関北海道大学

研究代表者

青木 邦弘  北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 博士研究員 (70507178)

キーワード中規模渦 / 熱輸送 / 海洋モデル / 全球 / 全球 / 海洋物理学
研究概要

海洋熱輸送は、地球の気候を支える重要な機構である。中規模渦に代表される海洋に広く分布する小さな時空間スケールを持った擾乱(以降、渦と呼ぶ)は、海洋熱輸送の一機構として注目されてきたが、渦の挙動を十分に解析可能なデータが無かったために、その輸送量は十分に明らかにされていない。本プロジェクトの目的は、渦を解像できる海洋数値シミュレーションを用いて渦熱輸送量を推定することで、海洋の熱輸送過程の理解に貢献することである。
昨年度までの解析の結果、渦熱輸送は、黒潮続流、湾流、アグラス反流、およびブラジル・マルビナス海流において卓越し、南北熱輸送量に大きく寄与することが示された。さらに興味深いことに、それらの海流の赤道側の亜表層には赤道向きの渦熱輸送が生じており、特に黒潮続流および湾流において顕著であった。そこで、本年度は、これらの海域に共通の赤道向きの渦熱輸送の発生機構の解明を試みた。
解析の結果、黒潮続流と湾流では、赤道向きの渦熱輸送の発生要因が異なることが明らかとなった。黒潮続流域における赤道向きの渦熱輸送は、黒潮続流上に恒常的に形成される暖水が、イベント的に表れる黒潮続流の南向きの蛇行によって南に移流されることが原因であった。一方、湾流域における赤道向きの渦熱輸送は、湾流上で形成された暖水渦が、湾流の南側における時計回りの再循環によって南に移流されることが主な要因であった。アグラス海流およびブラジル・マルビナス海流における赤道向きの渦熱輸送は、黒潮続流域と同様に、それらの海流の蛇行が原因であった。
一般的に、中規模擾乱による熱輸送は、黒潮続流等の赤道側の亜熱帯循環と極側の亜寒帯循環の境界に生じた急激な南北の温度勾配を緩める機構であると考えられている。しかし、実際の中規模擾乱による熱輸送は、赤道側から運ばれてきた暖水の余剰分を赤道側に戻す機構も併せ持つのである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] An Estimation of Eddy Heat Transport in the Western Boundary Currents Using a Global Eddy-Resolving Ocean GCM Simulation2011

    • 著者名/発表者名
      青木邦弘
    • 学会等名
      2011 IUGG General Assembly
    • 発表場所
      Merbourn Convention Center(オーストラリア)
    • 年月日
      2011-06-27

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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