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2010 年度 実績報告書

大気海洋結合モデルを用いた南シナ海通過流に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21740341
研究機関東京大学

研究代表者

東塚 知己  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (40376538)

キーワード南シナ海 / インドネシア通過流 / 大気海洋結合モデル / 大気洋相互作用 / 気候変動 / 熱帯域 / 海洋循環
研究概要

本研究では、大気海洋結合大循環モデルによるシミュレーションを通して、フィリピン・ボルネオ島を反時計回りに回る南シナ海通過流の大気海洋結合系での役割を明らかにする。まず、大気海洋結合モデル(UTCM)で、南シナ海通過流が通過する海峡を開いたコントロール実験(CTRL)と南シナ海のルソン海峡以外の海峡を閉じた感度実験(NOSCST)を行った。昨年度は、100年分積分していたが、今年度、この計算の続きを行い、180年分の積分を終わらせた。両実験の結果を比較したところ、CTRLでは、観測と同様、マカッサル海峡の南向き流の極大が亜表層(深さ約150m付近)に現れたのに対し、NOSCSTでは、表層に極大が現れた。また、CTRLでは、マカッサル海峡通過流の体積・熱輸送量が、観測と同様の季節変動をする(北半球の夏季に大きく、冬季に小さい)のに対し、NOSCSTでは、冬季の輸送量が増大し、観測とは異なる季節変動を示していた。次に、気候への影響を調べるために両実験で再現された海面水温の差を計算した。その結果、NOSCSTでは、南シナ海や黒潮続流域で水温が高くなるのに対し、東・西太平洋赤道域や日本南方の海域で水温が低くなるなど、影響は、広範囲に広がっていた。特に、南シナ海南部の高温化は、南シナ海とインド洋赤道域東部の降水の増加を通して、太平洋とインド洋のウォーカー循環に影響を与えていた。したがって、南シナ海通過流は、これまで考えられてきたよりも、全球の気候変動において、重要な役割を果たしていることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Key factors in simulating the equatorial Atlantic zonal SST gradient in a coupled GCM2011

    • 著者名/発表者名
      Tozuka, T.
    • 雑誌名

      Journal of Geophysical Research

      巻: (印刷中)(掲載確定)

    • 査読あり
  • [学会発表] Role of the South China Sea Throughflow in the Global Climate System2010

    • 著者名/発表者名
      Tozuka, T.
    • 学会等名
      Mini-Workshop on Seasonal to Interannual Climate Variations
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2010-11-30
  • [学会発表] 大気海洋結合モデルを用いた南シナ海通過流に関する研究2010

    • 著者名/発表者名
      東塚知己
    • 学会等名
      2010年度日本海洋学会秋季大会
    • 発表場所
      東京農業大学
    • 年月日
      2010-09-07
  • [学会発表] Role of the South China Sea Throughflow in the Global Climate System2010

    • 著者名/発表者名
      Tozuka, T.
    • 学会等名
      2010 Western Pacific Geophysics Meeting
    • 発表場所
      台北国際会議場(台湾)(招待講演)
    • 年月日
      2010-06-24

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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