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2009 年度 実績報告書

熱帯海洋域における海面温度と大気の可降水量の日変化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21740347
研究機関独立行政法人海洋研究開発機構

研究代表者

安永 数明  独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, 研究員 (50421889)

キーワード大気海洋相互作用 / 日周期 / 熱帯気象
研究概要

熱帯海洋上の対流活動は,対流活発期においては明け方に降水の極大となる一方で,対流抑制期の海上風が弱く静穏な状況下では,夕方に降水の極大となることが良く知られている.海面温度(SST)は,海上風が弱く静穏な状況下で,顕著な日変化を示す.こうした対流抑制期の顕著なSSTの日変化は,海上における夕方の降水活動に影響を与えていることが幾つかの研究で示唆されている.しかし,これまで間接的な状況証拠だけの議論が行われており,SSTと降水の日変化の関係は,未だに結論が出ていない.以上の背景から本研究では,「対流活動に大きな影響を与える可降水量に注目し、数値モデルによるシミュレーションデータと観測データを比較しながら,対流抑制期の日中の可降水量の変動特性と、その変動における海面フラックスや大規模場の運動等の影響を明らかにする」ことを具体的な目的としている.上記の研究目的に対して,21年度は、次のデータを取得・整備した.(1)フルレ島とガン島で行っているGPS-可降水量観測データ(2)大規模スケールの運動による可降水量日変化の寄与を定量的に評価する為の全球モデルによる数値シミュレーションのデータ.特に(2)に関しては、解析の結果、以下のことが判明した。対流圏の熱帯域における力学場、特に温度は、大気潮汐と考えられる顕著な半日周期を示していた。この温度の半日周期は、力学的な温度低下を通じて水蒸気の凝結量の増加を促すことで、日中の降水量の増加に寄与していることが分かった。この結果は、SSTの変動が存在しない場合でも日中の降水量増加をもたらす可能性があるということを明らかに点で重要で,この研究では,これまでにない降水メカニズムを指摘したと言う点で,大きな成果が現時点で得られていると考える(論文として投稿し,受理された).

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Afternoon precipitation peak simulated in an aqua-planet global non-hydrostatic model (aqua-planet-NICAM)

    • 著者名/発表者名
      Yasunaga, K.
    • 雑誌名

      Journal of Meteorological Society of Japan (In printing)

    • 査読あり
  • [学会発表] Water vapor variations and equatorial waves over the Indian Ocean2009

    • 著者名/発表者名
      Yasunaga, K.
    • 学会等名
      熱帯気象研究会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2009-09-29

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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