研究課題
5次元電磁ブラソフコードをMPIライブラリにより並列化し、名古屋大学のFujitsu FX1とHX600、東京大学のHitachi HA8000 T2Kオープンスパコン、九州大学のHitachi SR16000及び、太陽地球環境研究所のDELL R815などのスカラ型超並列計算機に対して計算速度のベンチマークを行った。その結果、1000程度の並列計算において、どのシステムに対しても80%以上の並列効率を達成した。また理論性能値に対して10-15%の実効効率を得た。即ち、1000並列において1テラフロップス以上の計算速度を得ることができた。これは、次世代スーパーコンピュータにおいて1ペタフロップスの計算速度を得るのに十分な値である。次に、イオン-電子質量比を25と小さく設定した2次元シミュレーションにおいて、磁気リコネクションのx-ポイント周辺やKH不安定性の2次渦の周辺でデバイスケールの電荷の分離が生じることにより、磁気拡散領域やKH渦が多階層構造を持つことがわかった。これは、プラズマ中における粒子スケールと流体スケール間の結合の存在を示唆している。また、太陽風と磁場を持たない天体との相互作用に関する2次元ブラソフシミュレーションを行い、天体の後方に形成するウェイクの構造が太陽風磁場の方向に大きく依存することを明らかにした。これらのシミュレーションは今後、質量比を大きくとり、イオンと電子のスケールを完全に分離する必要がある。
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