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2011 年度 実績報告書

海洋の気候変動復元に向けたサンゴ骨格クロスデーティング法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21740362
研究機関名古屋大学

研究代表者

森本 真紀  名古屋大学, 環境学研究科, 研究員 (30377999)

キーワードサンゴ骨格 / 年輪 / 年代決定 / 酵素同位体比
研究概要

本研究の目的は、従来行われてきたサンゴ骨格を用いた高時間分解能での海洋の環境変動復元に、陸上では木の年輪解析で用いられてきた「クロスデーティング法」の新たな概念を導入することで、復元期間を過去へ拡大する手法の開発をおこなうことである。生息年代の異なるサンゴ年輪化石を採集し、年輪の編年(年輪形態観察と酸素同位体比分析)と高感度炭素14年代をもとに、複数のサンゴ試料の記録を繋ぎ合わせてより長い期間の編年を作成し、過去の海洋環境の復元を目指すものである。
沖縄県石垣島で採取した現生サンゴについて、年輪解析から455年分の骨格試料であること、さらに年輪数とコア底部の炭素14年代測定結果から海洋リザーバー年代が405年であることを明らかにした。この年代を昨年度得られた化石サンゴ試料の炭素14年代結果に適用し、「TONO1」群体は西暦で950~1150年、「TONOO」は920~990年、「SEK5032」は790~1200年を含む試料であることが示された。群体間の比較による年代のより詳細な決定と海洋環境変動を復元するための酸素同位体比測定について、従来主に用いられてきた炭酸塩分析装置付質量分析計よりもより簡便で迅速に測定することを目的とし、ガスベンチ付質量分析計を用いる測定法について分析精度やサンゴ試料に適した分析条件について検討した。この手法を用いて「TONO1」「SEK5032」試料のそれぞれ70年、30年分の酸素同位体比季節変化を分析し、西暦970年前後において両試料の年代が重なっている可能性が明らかになった。この方法を年代の少しずつ異なる化石試料に適用することによって、琉球列島海域での過去1000年以上に渡る長期の酸素同位体比曲線が作成され、過去の海洋環境変動の解明に繋がると考える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Clumped isotope thermometry in coral skeletons2011

    • 著者名/発表者名
      Osamu Abe
    • 学会等名
      2nd international workshop on clumped isotopes
    • 発表場所
      Imperial College London, United Kingdom
    • 年月日
      2011-08-10

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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