研究概要 |
平成22年度~23年度は,21年度に導入した顕微鏡システムで年代標準試料(Huckleberry Ridgeテフラ)の年代測定を繰り返し行い,装置の操作状の問題点をチェックした.操作上の問題点として,スライドガラスを移動させるポイントカウンター装置は手動で操作するタイプのものを使用しているが,スライドガラスの移動回数,視野中の単位面積を占める火山ガラスの割合,フィッショントラックの個数の計測を,観察者が同時に記録しなくてはならず,極めて時間がかかり,作業過程で計測ミスが発生することが明らかになった.これらの問題の改善点としては,ポイントカウンターを自動で移動させて移動回数を自動で記録させられるタイプの装置に変更することが根本的な解決方法であるが,装置の導入には少なくとも100万円以上が必要となることから,本研究では現行のシステムでの作業ミスを減らすために,作業中の行程を詳細に記録を残すことで計測後に再チェックできるようにした.作業時間については,さらに時間がかかることになるが,計測ミスについては減少した.22年度は上記問題点を明らかにしたうえで,顕微鏡システムの年代標準試料の系統誤差の算出および繰り返し計測を行い,計測システムの信頼度と補正値を検討した.
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