平成24年度は,顕微鏡に反射照明ユニットを装備したことにより,これまでの透過光のみの観察に比べて,測定対象となるフィッショントラックの形状が鮮明になったことから,トラックの大きさを計測する作業の効率があがり,さらに測定精度が向上した.以前にカナダのトロント大学の顕微鏡システム(本年代測定法の創始者の研究室)でフィッショントラックを測定したことのある試料について,本研究で導入した顕微鏡システムでの測定を開始した. また,平成21年度に北西太平洋~ベーリング海を対象とした研究航海で採取された海底コア試料中の火山灰試料について化学組成分析を行い,上記の年代測定を行う火山灰試料と対比される可能性のある火山灰層の有無を検討した.さらに,これまでの北西太平洋における火山灰の層序と年代値について再検討し,ITP-FT法およびDC-FT法による中期更新世火山灰(テフラ)の火山ガラスのフィッショントラック年代測定が有為であることを確認した.
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