研究課題
日本列島の地質帯は、新生代中ごろに日本海が形成されるのに伴い大きく再配列が成されたと考えられる。その「再配列前」の情報を保持するものとして、西日本の白亜紀の浅海~陸性堆積物の調査を中心に行ってきた。昨年度は、熊本県・姫浦層群の砂岩から砕屑性モナザイトを分離し、年代測定を行った。その結果、後背地に関して、姫浦層群の基盤を成すはずの前期白亜紀花歯岩起源のモナザイト粒子の寄与が少ない事を示した。昨年度の調査は熊本県・姫浦層群の凝灰岩を対象とした。現在データをまとめ、発表の準備をしている段階である。その対比として、白亜紀付加体の堆積岩起源の変成岩についても調査研究も進めている。従来ジュラ紀付加体の変成部と考えられてきた「三波川帯」の原岩の大部分が、四万十帯とほぼ同時代の白亜紀後期付加体である事を再三示してきが、今年度は長崎帯の三波川帯相当部の堆積・変成年代を明らかにし、九州東端の大分県佐賀関半島で分布が途絶える「三波川帯」が、九州西端で露出することをあらためて確認した。また、兵庫県・篠山層群「下部層」の堆積年代が前期白亜紀Albian-Aptian境界付近であるあることを突き止め、その結果を発表した。この結果は従来報告されてきた篠山層群の年代より確度の信頼性が高い上に、20倍以上の精度であり、今後同様の手法が凝灰岩を含む整然層に対して極めて有効であることを示した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
Bulletin of the National Museum of Nature and Science, Series C
巻: 37 ページ: 17-27
巻: 37 ページ: 5-16
The Journal of Geology
巻: 119 ページ: 549-552
DOI:10.1086/660893
http://www.kahaku.go.jp/research/researcher/researcher.php?d=ytsutsu