• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

沖縄周辺海域における最終氷期以降の中・深層環境

研究課題

研究課題/領域番号 21740373
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

板木 拓也  独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 研究員 (30509724)

キーワード古海洋学 / 放散虫 / 放射性炭素年代 / 沖縄海域 / 中層水環境 / 最終氷期
研究概要

本研究の目的は,現在の北太平洋中層水の南限域にあたるフィリピン海と東シナ海から採取された海底コアをもとに微化石群集を調査し,過去のこの海域の中・深層環境の理解を得ることである.この目的のため,当該年度に実施したのは以下の通りである.
◎ フィリピン海から既に採取されている2本のコアGHO8-2004とGHO8-2005に関して,有孔虫の摘出と放射性炭素年代の測定を計16層準で実施した.その結果,双方のコアが最終氷期以降の堆積物を連続的に記録しており,これらが高分解能の古環境研究に有望であることが明らかとなった.さらに中層水の年代を測定する事を目的として,深海性の浮遊性有孔虫および底生有孔虫の放射性炭素年代測定を行うため,その摘出作業を行った.
◎ 本調査海域から産出する放散虫の種類を把握するために表層堆積物を検討し,計131種を確認した.また,東シナ海北部から採取されたプランクトン・ネット試料から現在の放散虫の生息深度について検討を行い,この海域に生息する放散虫の生態情報を得た.このような現在の沖縄周辺海域に於ける放散虫群集の特徴と海洋環境との関運性に関する基礎情報は,化石群集を古環境復元に利用する際に重要となる.実際に,コアGHO8-2004に関して放散虫分析を予察的に行った結果,海洋表層と中層環境に対応している群集の変化が認められた.
◎ 9月に中国(南京)で行われた放散虫の国際学会に出席し,放散虫の分類と古環境に関する研究発表を行った.この会議期間中には,世界中から参集した放散虫研究者と意見交換を行い,とくに中国の研究者から放散虫研究の現状と展望に関する情報を得る事が出来た.後日(3月初旬),改めて中国科学院南海研究所(広州)を訪問し,より詳細な意見交換を行った.中国では,これまで東シナ海や隣接する南シナ海における現世放散虫の研究が多数行われており,これらのデータを活用するために,中国の研究者との情報交換は,本科研費研究を実施する上で重要である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 沖縄島東方から得られたコアGHO8-2004の放射性炭素年代と放散虫群集の変化に関する予察2010

    • 著者名/発表者名
      板木拓也
    • 雑誌名

      地質調査総合センター速報 51号(印刷中)

  • [学会発表] Bailey's (1856) radiolarian types from the Bering Sea re-examined2009

    • 著者名/発表者名
      板木拓也
    • 学会等名
      The 12th Meeting of the International Association of Radiolarian Paleontologists
    • 発表場所
      中国(南京)
    • 年月日
      2009-09-14

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi