研究課題
本研究の目的は,最終氷期以降の北太平洋の中層循環の変化を理解するため、フィリピン海と東シナ海から採取された海底コアをもとに微化石や化学成分を分析することであった。当該年度では、フィリピン海から採取された2本のコアGHO8-2004とGHO8-2005に関して、有孔虫の摘出と放射性炭素年代の測定を実施し、精密な年代モデルを構築し、微化石と化学分析(有機物、無機炭素、同位体比など)から中層環境の変化について検討を行った。また、この中層水の起源と考えられる北太平洋亜寒帯域(ベーリング海)における微化石および化学分析結果と比較し、互いの海域が密接に関係していることが示唆された。また、ここ数年、氷期から完新世に至る大気中の二酸化炭素の上昇が海洋中深層から放出された可能性が指摘されており、今後、その可能性を検証するためにも、本研究成果をより詳細に検討する必要がある。
すべて 2012
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Deep-Sea Research-II
ページ: 61-64, 127-144
DOI:10.1016/j.dsr2.2011.03.002