1999年に台湾にてマグニチュード7.6の地震(集集地震)をひき起こした、台湾中部のチェルンプ断層の掘削コア試料について、微量元素に着目した鉱物相の断層中央部での変化について放射光X線を用いて考察した。ストロンチウム(Sr)は断層中央部では曹長石に多く含まれており、このことは、流体側に溶けていたSrが、高温下で新たに晶出した曹長石に取り込まれたことを意味しており、その温度は少なくとも250度以上と推定された。つまり、高温の水が断層破砕帯を通過した履歴を示しており、これは断層運動と同期したものと推定された。
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