研究課題
本研究課題の目的は、高磁気レイノルズ数領域における電磁流体乱流的磁気リコネクションの実現可能性を直接数値シミュレーションによって探求することにある。そこで、これまで到達不可能であった超高磁気レイノルズ数領域の電磁流体シミュレーションを可能にするため、極めて高い解像度と高い安定性を持つ新たな数値シミュレーションコードが必要不可欠となる。特に本年度は、本研究課題のベースとなる超高解像度次世代電磁流体数値シミュレーションコードの開発を行った。数値的磁場発散の除去手法について詳細な比較数値実験を行い、Constrained Transport (CT)に基づく高安定なHLL型flux-CT法を新たに開発した。また、高次精度化に向けた変数補間に関する検討を行い、高効率かつ安定に制限関数を用いた変数補間が可能となる近似的特性変数を新たに提案した。これら新たな数値的技法を研究代表者らがこれまでに開発してきたHLLD近似リーマン解法に組み込み、高解像度・高安定・高効率の次世代電磁流体シミュレーションコードの開発に成功した。さらに本年度は、新開発の数値シミュレーションコードを用い、電磁流体乱流的磁気リコネクションの直接数値シミュレーションに向けた予備的数値シミュレーションを実施した。初期的な解析結果から、高磁気レイノルズ数領域において、電流シートが二次的テアリング不安定性によって自発的に階層構造を生じ、階層構造の複雑な非線形相互作用によって極めてダイナミック且つ爆発的に磁気リコネクションが進行する新たな物理的描像が明らかになった。現在、論文を準備中である。
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Earth, Planets and Space 61
ページ: 895-903