研究概要 |
1. 放電プラズマ焼結装置による酸化亜鉛系材料ターゲットの焼結と最適化・メカニズムの解明 短時間、高品質焼結を特長とする未解明の放電プラズマ焼結プロセスを明らかにし,組成比をコントロールした良質のターゲット材料を生成すると同時にプラズマ成膜技術への応用を目指した.放電プラズマ焼結プロセスを用いた粒径20nmの酸化亜鉛ナノ粒子焼結体で観測される優先的配向性の試料内部電流,加圧力等のパラメータ依存性を明らかにした. (1) 酸化亜鉛ナノ粒子焼結体では、200℃付近の低温から収縮,内部電流の増加および優先的配向性が生じる.試料内部電流の制限により,配向性が発生し始める温度に違いがあり,粒成長の温度依存性も異なる.優先的配向性が内部電流の増加に依存している可能性が示唆された. (2) 加圧力の制御実験より、SPSプロセスで生じる優先的配向性が無加圧の状態では抑制されることから,配向性や焼結に対する内部電流の効果が比較的低温において顕著であり、内部電流と加圧力が複合的に関わって影響を与えていると考えられる。 2. プラズマスパッタリングとプラズマ流を併用した新たなプラズマ成膜技術の開発 現在,プラズマスパッタリングとプラズマ流を併用した新たなプラズマ成膜装置の開発を進行中である.上記で明らかにした放電プラズマ焼結プロセスを,低温成膜を特徴とするプラズマ成膜に応用することにより、微粒子を内包する微粒子含有型薄膜の生成技術および高機能な新規薄膜材料の製造技術の確立を目指していく予定である。 以上の研究成果に関連して,3件の論文投稿および学会発表を行った.
|