研究概要 |
昨年度までに得られた磁場反転配位プラズマの新奇安定化機構である磁気ヘリシティ注入法について,10月に韓国で開催されたIAEA・核融合エネルギー会議において発表した。これは,磁化同軸プラズマガンを用いて,対象となる磁場反転配位プラズマのベータ値を大きく変化させない程度の磁気ヘリシティを注入し,自己組織化過程を経て有意な回転変換をもつ安定かっ高ベータなプラズマが生成されるものと考えられる。この安定化機構について詳細なメカニズムを検証するため,昨年度までに開発されたトモグラフィカメラについて,プラズマ装置に設置しての調整実験を進めた。この過程においてノイズ対策が必要なことがわかり,シールド材料の設置などの対策を行い,データ解析のためのソフトウェアの開発を進めた。またこれに加え,入射されたヘリシティの影響を検証するため,co-,counter-ヘリシティ入射を行えるよう,新規に磁化同軸ガンの設計と製作をすすめた。 上記の成果に加え,本研究において開発が進められた磁化同軸ガンについて,超音速粒子源および極端紫外光源としての応用研究を開始した。粒子源はガスパフなどと異なり,熱速度より早い速度に中性粒子を加速,プラズマ中へ入射できることから,磁場閉じ込めプラズマの新たな制御法となる可能性が高い。また,光源は,本研究で得られた磁化プラズモイドの自己組織化機構に関する知見を,次世代リソグラフィなどへ利用が期待される極端紫外光源の開発に応用する物であり,また,プラズマ分光計測のための校正用標準光源などとして本研究へフィードバックさせることも期待できる。
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