研究課題
電極表面など固液界面における化学反応を原子レベルで解明する手法として、電気化学走査プローブ顕微鏡が用いられているが、一般に使われる現状の装置では走査速度が遅く、界面における高速なダイナミクスを観測することは出来ない。本研究では、1秒間に10枚以上の画像を取得できる電気化学高速走査プローブ顕微鏡を作製し、これまで不明であった固液界面のダイナミクスを解明することにある。これまで、金沢大学の安藤敏夫教授らが開発したカウンターバランス法やアクティブダンピング法を用い、さらに試料の電極電位を制御可能なシステムを構築することで、1秒間に10枚以上の高速観察が電気化学高速走査プローブ顕微鏡を作成した。本年度は、この装置を用いて、固液界面におけるダイナミクスの解明を進めた。具体的には、金電極上のハロゲンイオンの拡散、反応挙動、半導体電極上における溶解反応など、工業的に重要ながらもその基礎的な解明が行われていない系について、原子レベルでの機構解明を行った。これらの反応については、これまで既存の電気化学走査プローブ顕微鏡を用いた研究を行っており、原子レベルでの観測に成功している。さらに発展的にダイナミクスを観測することで、電極表面における反応機構を解明したい。
2: おおむね順調に進展している
本研究の目的は、1秒間に10枚以上の画像を取得できる電気化学高速走査プローブ顕微鏡を作製し、これまで不明であった固液界面のダイナミクスを解明することにあった。既に当該装置は作製され、固液界面における化学反応の解明を進めている。よって、目標は順調に達成していると考えられる。
金属電極上のハロゲンイオンの拡散、反応挙動、半導体電極上における溶解反応など、工業的に重要ながらもその基礎的な解明が行われていない系について、原子レベルでの機構解明の詳細をさらに検討する。これらの反応については、これまで既存の電気化学走査プローブ顕微鏡を用いた研究を行っており、原子レベルでの観測に成功しているが、未だ不明な点も多く、それらの解明を進める。
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