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2010 年度 実績報告書

高時間分解・高周波電子スピン共鳴分光法による生体内光電変換ダイナミクスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21750004
研究機関東北大学

研究代表者

松岡 秀人  東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (90414002)

キーワード光合成膜タンパク / 光化学系I / 電子伝達経路 / 高周波パルス時間分 ESR
研究概要

生物のエネルギー生産を担う酸素発生光合成は、高等植物あるいはシアノバクテリアによって行われる。光合成反応は古くから研究されているが、いまだにその電子移動過程など明らかになっていないことが多い。そこで本研究では、シアノバクテリアから抽出・精製した光化学系を対象に、その電子移動過程の解明を目指した。昨年度に引き続き、ESR装置の高速化を図る一環として、データ処理系の改良を行った。昨年度までよりも倍速のサンプリング速度および倍の帯域を有するA/Dコンバータを導入し、その制御とデータの取り込みを可能とする自作のプログラムを作成した。その結果、lnsの速いESR応答信号を取り込むことが可能となった。昨年度から改良を重ねてきた超高時間分解ESR装置により、重水素化光化学反応中心の反応中間体ラジカルイオン対P_<700>^+-A_1^-に対して、100K付近でレーザー照射直後にESR信号の超高速量子ビートを、高いS/N比で観測することができた。また、化学還元処理によって電子移動経路を制御した超高時間分解高周波時間分解ESR測定も行い、電子移動の二方向性を実証することができた。また、二成分のESRスペクトルの時間依存性と信号強度比から、二経路の速度比などダイナミクスに関する情報を明らかにした。光化学系の電子移動経路については単方向性と双方向性の二つが提唱されてきたが、本研究から双方向性の電子移動が妥当であると結論付けられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Proton-Coupled Electron-Transfer Processes in Photosystem II Probed by Highly Resolved g-Anisotropy of Redox-Active Tyrosine Yz2011

    • 著者名/発表者名
      Hideto Matsuoka, et al
    • 雑誌名

      J.Am.Chem.Soc

      巻: 133 ページ: 4655-4660

    • 査読あり
  • [学会発表] 単結晶光化学系II複合体におけるチロシンラジカルの高周波パルスEPR研究2010

    • 著者名/発表者名
      松岡秀人
    • 学会等名
      第49回電子スピンサイエンス学会年会
    • 発表場所
      名古屋大学(愛知県)
    • 年月日
      2010-11-12
  • [学会発表] 高周波CW/パルスEPRを用いた光合成光化学系Iにおける初期電荷分離過程の解明2010

    • 著者名/発表者名
      松岡秀人
    • 学会等名
      第4回分子科学討論会
    • 発表場所
      大阪大学(大阪府)
    • 年月日
      2010-09-17
  • [学会発表] High frequency pulse EPR study of the oxygen-evolving Mn cluster and tyrosine radicals in photosynthetic protein2010

    • 著者名/発表者名
      Hideto Matsuoka, et al
    • 学会等名
      IV Russian-Japanese Workshop "Open Shell Compounds and Molecular Spin Devices"
    • 発表場所
      Novgorod(ロシア)
    • 年月日
      2010-09-06

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公開日: 2013-06-26  

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