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2011 年度 実績報告書

極低温2光子励起顕微鏡による光合成系光エネルギー捕集ダイナミクスの観測

研究課題

研究課題/領域番号 21750017
研究機関東北大学

研究代表者

柴田 穣  東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (20300832)

キーワードレーザー走査顕微鏡 / 顕微分光法 / クロロフィル / 蛍光顕微鏡
研究概要

本研究により、世界で初めて極低温用の生物光学顕微鏡において0.9という高い開口数を実現した。これにより、液体ヘリウム温度下で300nm程度の高い空間分解能で生体試料を観測する手法を実現することができた。開発した顕微鏡では色収差も高い精度で補正され、時-空間-スペクトル分解測定への応用に最適である。開発した顕微鏡はほとんどの部分が自作であり、波長800nm、パルス幅約140fsのパルスレーザーからの光を励起光源としたレーザー走査型の2光子励起顕微鏡である。2光子励起顕微鏡であることから、高い光軸方向の分解能も達成されている。また、適宜励起レーザーを変更することで、1光子励起の共焦点顕微鏡とすることも可能である。サンプルは銅製のサンプルホルダ内で厚さ0.3mmの窓の中に封じ込まれて真空には露出しない。そのため、wetな生体試料も観察可能となっている。もちろん、開口数0.9は0.3mmの窓厚を補正した上での値である。サンプルホルダがコールドヘッドに接続されてサンプルが冷却されるが、銅メッシュを介した接続を採用してホルダとコールドヘッドを機械的に分離している。この機構により、従来の極低温顕微鏡で問題となっていたコールドヘッドの伸縮や振動によるサンプル位置の変化が、大幅に抑えられるようになった。現時点でも、数10分程度で±100nm程度サンプル位置が揺らぐ、という問題が残っており、今後改善していく必要がある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 光合成系での光捕集過程を構造に立脚して理解する2011

    • 著者名/発表者名
      柴田穣
    • 雑誌名

      光合成研究

      巻: 21巻(3) ページ: 128-134

  • [雑誌論文] Multiple dissipation components of excess light energy in dry lichen revealed by ultrafast fluorescence study at 5 K2011

    • 著者名/発表者名
      H.Miyake, M.Komura, S.Itoh, M.Kosugi, Y.Kashino, K.Satoh, Y.Shibata
    • 雑誌名

      Photosynthesis Research

      巻: 110 ページ: 39-48

    • DOI

      10.1007/s11120-011-9691-8

    • 査読あり
  • [学会発表] 開口数0.9を有する極低温顕微分光システムの開発2011

    • 著者名/発表者名
      加藤渉、柴田穣
    • 学会等名
      分子科学討論会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2011-09-21
  • [学会発表] 極低温超高速蛍光測定と理論計算の融合で見えてきた光化学系IIの光捕集ダイナミクス2011

    • 著者名/発表者名
      柴田穣、西俊輔、川上恵典、沈建仁、Thomas Renger
    • 学会等名
      分子科学討論会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2011-09-20
  • [学会発表] 超高速蛍光実験と理論計算の融合で見えてきた光捕集ダイナミクス2011

    • 著者名/発表者名
      柴田穣
    • 学会等名
      光合成学会シンポジウム
    • 発表場所
      京都大学(招待講演)
    • 年月日
      2011-06-03

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公開日: 2013-06-26  

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