高精度電子状態理論の開発:配置を使用した量子モンテカルロ法

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21750027
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 物理化学
• 研究機関: 分子科学研究所
• 研究代表者: 大塚 勇起 分子科学研究所, 理論・計算分子科学研究領域, 助教 (70397587)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2010
• キーワード: 理論化学

研究概要

電子の振る舞いを決定するシュレーディンガー方程式を、乱数を使って解く方法を量子モンテカルロ法と呼ぶが、今回の研究では電子を粒子(電子の座標)ではなく、電子配置によって表す新しい量子モンテカルロ法を開発した。 この方法の利点は、通常の量子モンテカルロ法の大きな問題点である試行波動関数依存性がないことである。我々は、この方法の並列計算が可能な一般的なプログラムを開発し、テスト計算によって厳密解が得られることを確かめた。

研究成果

• [雑誌論文] Projector Monte Carlo Method Based on Slater Determinants : Test Application to Singlet Excited States of H_2O and LiF (2010)
  • 著者名/発表者名: Y.Ohtsuka, S.Nagase
  • 雑誌名: Chem.Phys.Lett. 485 ページ: 367-370
  • 査読あり
• [雑誌論文] Mechanism and Dynamic Correlation Effects in Cycloaddition Reactions of Singlet Difluorocarbene to Alkenes and Disilene (2009)
  • 著者名/発表者名: X.Gao, Y.Ohtsuka, K.Ishimura, S.Nagase
  • 雑誌名: J.Phys.Chem.A 113 ページ: 9852-9860
  • 査読あり
• [雑誌論文] Oxidation Unzipping of Stable Nanographenes into Joint Spin-rich Fragments (2009)
  • 著者名/発表者名: X.Gao, L.Wang, Y.Ohtsuka, D.-E.Jiang, Y.Zhao, S.Nagase, Z.Chen
  • 雑誌名: J.Am.Chem.Soc. 131 ページ: 9663-9669
  • 査読あり
• [学会発表] Projector Monte Carlo method based on Slater determinants (2010)
  • 著者名/発表者名: Yuhki Ohtsuka, Shigeru Nagase
  • 学会等名: 2010環太平洋国際化学会議PACIFICHEM
  • 発表場所: ハワイ(口頭発表)
  • 年月日: 2010-12-18
• [学会発表] スレーター行列式を用いたプロジェクタモンテカルロ法:高速化のためのアルゴリズム開発 (2009)
  • 著者名/発表者名: 大塚勇起、永瀬茂
  • 学会等名: 第3回分子科学討論会
  • 発表場所: 名古屋大学(口頭発表)
  • 年月日: 2009-09-21
• [学会発表] スレーター行列式を用いたプロジェクタモンテカルロ法:励起状態への応用 (2009)
  • 著者名/発表者名: 大塚勇起、永瀬茂
  • 学会等名: 第12回理論化学討論会
  • 発表場所: 東京大学(口頭発表)
  • 年月日: 2009-05-29