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2009 年度 実績報告書

シリルラジカルの付加反応を利用した機能性スピン化合物の創製

研究課題

研究課題/領域番号 21750035
研究機関東北大学

研究代表者

石田 真太郎  東北大学, 大学院・理学研究科, 講師 (90436080)

キーワードシリルラジカル / ラジカル付加反応 / 機能性材料 / ESR / シングレットビラジカル
研究概要

本年度は単離可能なシリルラジカルであるトリス(トリイソプロピルシリル)シリルラジカル(1)を用いたカルボニル化合物への付加を調査する途上で、関連化合物の合成と性質について明らかにする必要が生じたため、その検討を行った。以下に詳細を示す。
1.シリルラジカルの置換基効果について検討する必要があり、ビス(トリイソプロピルシリル)(フェニルジイソプロピルシリル)シリルラジカル(2)およびビス(トリイソプロピルシリル)(ジフェニルイソプロピルシリル)シリルラジカル(3)の合成を行った。これらのシリルラジカルは対応するフルオロシランの還元により発生させた。発生したシリルラジカル2および3の溶液中室温条件の半減期は10日以上であり、単離可能な1のものより長かった。また、ESRスペクトルの解析ではケイ素上のスピン密度の低下が見られた。以上の結果からシリルラジカル2および3は熱力学的に十分安定であり、その理由は立体障害に加えラジカル中心とフェニル基との相互作用によるスピンの非局在化によるものと推定している。シリルラジカル1-3の性質の違いを利用して、カルボニル化合物付加体の性質をファインチューニングできると考えられる。
2.シリルラジカル2の還元により対応するシリルアニオン種が高収率で得られることが解った。さらにそこからビス(トリイソプロピルシリル)(フェニルジイソプロピルシリル)シラン(4)を合成することに成功した。化合物4のフェニル基は、塩化水素あるいはトリフロオロメタンスルホン酸と反応させることで最終的にクロロ基に変換することができた。この化合物を還元的にカップリングさせ、1,4-ビス(シリルラジカル)の合成に向けた検討を行っている。1,4-ビス(シリルラジカル)はスピン間の相互作用によりシングレットビラジカルとして存在すると考えられ、その電子状態の解明は重要な課題である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ジシラトリプチセンおよびオクタシラキュバンの新展開:剛直有機ケイ素化合物の特異な性質2009

    • 著者名/発表者名
      石田真太郎
    • 学会等名
      京都大学GCOE有機若手ワークショップ
    • 発表場所
      京都(京都府)
    • 年月日
      2009-09-08
  • [学会発表] シクロテトラシランから誘導される新規アニオン性ケイ素クラスター2009

    • 著者名/発表者名
      石田真太郎
    • 学会等名
      元素相乗系化合物の化学 第5回公開若手コロキウム
    • 発表場所
      高崎(群馬県)
    • 年月日
      2009-04-14

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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