研究課題
「N-フユーズポルフィリンの発光特性の解明」種々のN-フユーズポルフィリン誘導体を合成し、その光学特性について詳細な測定をおこなった。その結果、N-フユーズポルフィリンは10ps程度という極めて短い発光寿命を有していることが明らかとなった。類似の化合物のデータとの比較により、N-フユーズポルフィリンの発光には励起状態での高速プロトン移動が関わっている可能性が示唆された。「N-フユーズポルフィリンの生成機構の理論的研究」骨格融合法では、ポルフィリノイド骨格におけるピロール環の回転が極めて重要な鍵をにぎっている。そこで、理論計算を用いてピロール環の回転および骨格融合反応について詳細に検討した。その結果、ピロールの回転は環内部水素結合に大きく影響されることが示唆された。また、骨格融合反応は、ピロールの回転がおこる条件下であれば比較的スムーズに進行すること、および最終段階の脱離反応がドライビングフォースとなっていることが提唱された。「新規共役系分子の構築」骨格融合種創製の鍵となる異種ポルフィリノイドの合成研究を行い、三重混乱ヘキサフィリン、ポルフィリンーN-混乱ポルフィリン連結分子、コロール異性体などの新規合成に成功し、それぞれ、その光学特性ならびに分子認識能について明らかとした。三重混乱ヘキサフィリンは、三角形型をしており、分子の形および対称性が光学特性に大きな影響を与えていることが明らかとなった。また、ポルフィリンーN-混乱ポルフィリン連結分子の性質を検討した結果、異種ポルフィリノイドが独特なエネルギー移動系の構築に有用であることが明らかとなった。
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http://www.cstf.kyushu-u.ac.jp/~furutalab/