研究概要 |
本研究では、分子配列の制御因子として多点水素結合に着目し、核酸塩基部位としてアデニン部位を導入した架橋性配位子6-amino-9-β-carboxyethylpurine (HL)をもちい、Salen 型マンガン2核錯体[Mn_2(naphtmen)_2(H_2O)_2](ClO_4)_2 (naphtmen^<2・>=N,N'-(1,1,2,2-tetra methylethylene)bis(naphthylidene-iminato) dianion)を連結することで、2種類の一次元錯体[Mn_2(naphtmen)_2(L)](ClO_4)・2Et_2O・2MeOH・H_2Oおよび[Mn_2(naphtmen)_2(HL)](ClO_4)_2・MeOHを得た。どちらの錯体も隣接アデニン部位間に水素結合がみられ、一次元ネットワークが形成されていた。両錯体ともスピンキャンティングによって残ったスピンの強磁性的相互作用により単一次元鎖磁石としての性質を示すことが明らかとなった。
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