カルボニル錯体の酸素原子を同族のセレンおよびテルルで置き換えた、セレノ(CSe)およびテルロカルボニル(CTe)錯体の合成例はあるものの、これらの化学は未開拓であった。これは、これまでの合成法では、原料として入手困難なCSe2を用いる、あるいは中間体合成のために有機水銀反応剤を用いるなど、それらの一般性の高い合成法がないためであると考えられる。本研究では、末端カルビド錯体に注目し、単体SeおよびTeとの反応による、CSeおよびCTe錯体の一般性の高い合成法を開発し、一連のカルコゲノカルボニル錯体の性質を系統的に明らかにした。
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