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2009 年度 実績報告書

分子間トンネル効果顕微鏡によるカーボンナノチューブ幾何構造の可視化分析法

研究課題

研究課題/領域番号 21750074
研究機関大阪府立大学

研究代表者

西野 智昭  大阪府立大学, 21世紀科学研究機構, 講師 (80372415)

キーワード分子探針 / 走査型トンネル顕微鏡 / カーボンナノチューブ / ナノ科学
研究概要

走査型トンネル顕微鏡(STM)は,原子レベルの表面局所分析が可能である一方,試料分子や原子の識別・同定はできない.それに対し,我々は,従来のSTM金属探針を化学的に修飾した分子探針を用いることにより,STMに化学選択性を付与できることを見出した.これは,分子探針との電子波動関数の重なりをもたらす化学的相互作用(水素結合,配位結合,および電荷移動相互作用)を通じ,特定の官能基・化学種においてトンネル電流が増加することに起因する.本研究では,分子探針を用い,カーボンナノチューブ(CNT)の原子欠陥に対する可視化検出法を開発した.
従来の金属探針を用いた際には,CNTの欠陥は観察されなかった.一方,電子供与性である4-aminothiophenol(4AT)探針を用いた際には,原子分解能が達成できたのみならず,原子欠陥が選択的に明るい輝点として観察された,電子供与性分子はCNTと電荷移動相互作用を形成することが知られており,さらに,これらの分子はCNTの構造欠陥に優先的に結合することが示されている.このことから,4AT探針を用いて観察を行うことにより,4AT-CNT欠陥との電荷移動相互作用を通じてトンネル電流が増加し,CNT欠陥が選択的に可視化できたと考えられる.
電子供与性分子探針により,CNT原子欠陥に対する初めての可視化検出法を開発した.本手法により,欠陥が関与するCNTの物性の基礎的理解,およびこれを利用した新規CNT電子デバイスの創製が可能になると期待される.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 分子STM探針による生体分子の可視化分析2009

    • 著者名/発表者名
      西野智昭
    • 雑誌名

      応用物理学会誌M&BE 20

      ページ: 169-172

  • [学会発表] 分子探針を用いた走査型トンネル顕微鏡によるナノイメージング2009

    • 著者名/発表者名
      西野智昭
    • 学会等名
      第48回フローインジェクション分析講演会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2009-11-27
  • [学会発表] 分子STM探針による生体分子の可視化分析2009

    • 著者名/発表者名
      西野智昭
    • 学会等名
      有機バイオSPM研究会2009
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      2009-09-04
  • [学会発表] 分子探針を用いた走査型トンネル顕微鏡による単一分子の分析2009

    • 著者名/発表者名
      西野智昭
    • 学会等名
      日本分析化学会近畿支部第3回夏期セミナー
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2009-08-06
  • [図書] 光科学研究の最前線2,分子間トンネル効果と分子探針2009

    • 著者名/発表者名
      梅澤喜夫, 西野智昭
    • 総ページ数
      1
    • 出版者
      強光子場科学研究懇談会

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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