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2010 年度 実績報告書

イオン液体とポリイオンとの特異的相互作用を利用した二重鎖DNAの液液抽出系の創製

研究課題

研究課題/領域番号 21750075
研究機関京都大学

研究代表者

西 直哉  京都大学, 工学研究科, 教授 (10372567)

キーワードイオン液体 / 液液抽出 / 界面イオン移動 / 促進イオン移動 / イオン対 / 液液界面 / DNA / インターカレーション
研究概要

本年度は、以下の研究を行った。
1.トリオクチルメチルアンモニウムイオン(TOMA+)によるdsDNAの促進イオン移動サイクリックボルタンメトリ-(CV)
2.エチジウムイオン(Et+)によるdsDNAの促進イオン移動CV
3.蛍光測定による二本鎖DNA (dsDNA)とイオン液体構成カチオンの相互作用の評価
1では、前年度にdsDNAの促進イオン移動を起こすことを見出したoctadecylisoquinolinium (C18Iq+)の特異性の有無を明らかにすべく、アニオンとイオン対を形成しやすく相間移動触媒として用いられるTOMA+を構成イオンとするイオン液体(IL)を用いて、前年度と同様に、IL|水(W)界面を横切るイオン移動CVを記録した。W相中にdsDNAが存在してもCVに変化がないことから、TOMA+とdsDNAの相互作用はC18Iq+とdsDNAのそれよりも弱いことが示唆された。2では、インターカレーターでありdsDNAと強く相互作用するEt+を構成イオンとするILの調製を試みた。常温で固体のEt塩が得られたため、他のILにEt塩を溶解してIL|W界面におけるイオン移動CVを記録した。促進イオン移動電流が観測されたが、Etの疎水性が大きくないため、IL中のEt+のWへの移動がdsDNAに促進されている可能性が示唆された。3の蛍光測定では、C18Iq+の疎水性が大きく水にほとんど溶解しないため、疎水性が小さく、C18Iq+と同じ芳香環部位を持つbutylisoquinolinium (C4Iq+)を用いた。C4Iq+からの蛍光強度のdsDNA濃度依存性より、C4Iq+ひとつあたり相互作用する平均dsDNA塩基数およびその平衡定数を見積もった。isoquinoliniumのdsDNAとの相互作用はEt+よりは弱く、TOMA+よりは強いことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Ionic multilayers at the free surface of an ionic liquid, trioctylmethylam monium bis(nonafluorobutanesulfonyl)amide, probed by X-ray reflectivity measurements2010

    • 著者名/発表者名
      Naoya Nishi, Yukinori Yasui, Tomoya Uruga, Hajime Tanida, Tasuku Yamada, Shun-ichi Nakayama, Hideki Matsuoka, Takashi Kakiuchi
    • 雑誌名

      J.Chem.Phys.

      巻: 132 ページ: 164705(1-6)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Determination of the Activity of 1-Methyl-3-octylimidazolium Bis(trifluoromethanesulfonyl)amide in Binary Ionic Liquids from the Solubility in Water2010

    • 著者名/発表者名
      Yuko Hirohata, Naoya Nishi, Takashi Kakiuchi
    • 雑誌名

      J.Chem.Eng.Data

      巻: 55 ページ: 1980-1985

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Electrocapillarity under Ultraslow Relaxation of the Ionic Liquid Double Layer at the Interface between Trioctylmethylammonium Bis(nonafluorobutanesulfonyl)amide and Water2010

    • 著者名/発表者名
      Yukinori Yasui, Yuki Kitazumi, Naoya Nishi, Takashi Kakiuchi
    • 雑誌名

      J.Phys.Chem.B

      巻: 114 ページ: 11141-11148

    • 査読あり
  • [学会発表] DNAと相互作用するイソキノリニウム系カチオンを構成イオンとするイオン液体への水中DNAの電気化学的移動および抽出2011

    • 著者名/発表者名
      西直哉, 内田健太郎, 白波瀬文吾, 北隅優希, 垣内隆
    • 学会等名
      電気化学会
    • 発表場所
      横浜国立大学
    • 年月日
      2011-03-30

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公開日: 2012-07-19  

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