従来、標識や分子マーカーを必要とするDNA中の一塩基多型(SNPs)の計測を、DNA中の各々の核酸塩基を同時に、識別、定量可能なナノカーボン薄膜電極を利用して、電気化学的に(酸化電流の大きさにより)高感度に直接検出する簡便な方法を開発した。またこのような新規計測法の定量性向上を図るために、DNA中の各々の核酸塩基の酸化反応を促進するナノカーボン薄膜表面構造、並びに、本測定法におけるDNA鎖長の影響を明らかにした。核酸塩基類を安定かつ高感度に測定するためにナノカーボン表面に酸素を導入したところ、C.V.<1%(n=12)の安定性を得た。また、本測定における最適なDNA鎖長は、安定な直接計測(~24mer)と、ハイブリダイゼーション(回収)の両面の安定性の観点から、12~20merであることを確認した。また、本測定法が可能となる電気化学セルの試作を行った。
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