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2009 年度 実績報告書

新規カチオン型光学活性ブレンステッド酸触媒の創製と応用

研究課題

研究課題/領域番号 21750095
研究機関名古屋大学

研究代表者

浦口 大輔  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (70426328)

キーワード有機分子触媒 / ブレンステッド酸 / 共役付加 / 有機イオン対 / 不斉合成 / 触媒反応
研究概要

未来型の有機合成プロセスを指向した高度分子変換を実現する上で、高活性な機能性触媒の開発は最も重要な位置を占める課題の一つであり、大きな技術的進歩とそれに向けての新規概念の提案が必須である。本研究では、分子の中心骨格であるHN-P^+-NH構造に起因した二重水素結合形成能を有するテトラアミノホスホニウム塩に適切な分子修飾を施すことで、申請者がこれまでに明らかにしてきた塩基性条件下での触媒作用とは一見相反するホスホニウム塩の潜在的ブレンステッド酸触媒作用を引き出し、新規カチオン型光学活性ブレンステソド酸触媒の創製を目指した。具体的には、キラルユニットとしてビナフチルジアミンを利用した、新規アリールアミノホスホニウムバフェートを設計・合成し、これを触媒とするニトロオレフィンへのアザ共役付加反応を高エナンチオ選択的に実現した。本反応は、完全な原子効率で進行することに加え、有用合成素子であるキラルジアミン類へと簡便に導き得る生成物を与えることから極めて合成化学的価値が高いが、既存の触媒では比較的困難な反応系の一つとして知られており、これを低触媒量で穏和な条件下で実現したことは本研究で開発した触媒系の力量を明確に示すものであるといえる。また、光学活性ブレンステッド酸の化学が爆発的に進展している今日においても未知の部分が多い、カチオン型ブレンステッド酸の新たな機能性と特異性を示したことで、その本質に迫る端緒となることが期待される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Chiral Arylaminophosphonium Barfates as a New Class of Charged Bronsted Acid for the Enantioselective Activation of Nonionic Lewis Bases2009

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Uraguchi, Daisuke Nakashima, Takashi Ooi
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society 131

      ページ: 7242-7243

    • 査読あり
  • [学会発表] アリールアミノホスホニウムボレートを触媒とした不斉プロトン化反応2010

    • 著者名/発表者名
      木下奈津子、浦口大輔、大井貴史
    • 学会等名
      日本化学会第90春季年会
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      20100326-20100329
  • [学会発表] 光学活性アリールアミノホスホニウムボレートをカチオン性Bronsted酸触媒とする不斉共役付加反応2010

    • 著者名/発表者名
      中島大輔、浦口大輔、大井貴史
    • 学会等名
      日本化学会第90春季年会
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      20100326-20100329
  • [学会発表] 新規カチオン性Bronsted酸の創製と触媒的不斉Aza-Michael付加反応への適用2009

    • 著者名/発表者名
      中島大輔、浦口大輔、大井貴史
    • 学会等名
      第3回物質科学フロンティアセミナー
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      20091130-20091201
  • [学会発表] 光学活性テトラアミノホスホニウムボレートの創製とカチオン性ブレンステッド酸触媒としての機能発現2009

    • 著者名/発表者名
      中島大輔、浦口大輔、大井貴史
    • 学会等名
      第39回中部化学関係学協会支部連合秋季大会
    • 発表場所
      岐阜大学
    • 年月日
      20091107-20091108

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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