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2009 年度 実績報告書

環状ビニルポリマーの新規合成法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21750111
研究機関山形大学

研究代表者

鳴海 敦  山形大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (60443975)

キーワード大環状ポリマー / リングポリマー / 環拡大重合 / 環拡大ビニル重合 / リビングラジカル重合 / アジドーアルキン / クリック反応 / ラジカル環交差反応 / MALDI-TOF MS
研究概要

大環状ポリマーは、多くの場合、鎖状ポリマーの両末端を何らかの化学反応により閉環することで得られる。すなわち、最後にポリマーの閉環を伴わない方法はあまりない。特にビニルモノマーの環拡大型重合に関してはほとんど報告例がない。そこで本研究では、汎用のビニルモノマーにも適応可能な環拡大型重合を開発することを目的として研究を行った。以下に成果を記す。
1)安定ニトロキシドラジカルを用いたリビングラジカル重合(NMP)の開始剤として機能するアルコキシアミン誘導体に、環状構造の導入を行った。はじめにトリメチルシリル基で保護したアルキンを有するニトロキシドラジカル誘導体を合成した。これをクロロメチルスチレンに反応させてアルコキシアミン誘導体とした。続いて4-アジド安息香酸との反応およびトリメチルシリル基の脱保護反応を行い、分子内にアジドとアルキンを有するアルコキシアミン誘導体に変換した。最後に銅触媒を用いたアジドーアルキン/クリック反応を行い、目的物である環状NMP開始剤を得た。
2)環状NMP開始剤によるスチレンの重合を行った。重合は溶媒にフルオロアルコールを用い125℃で行った。生成物の構造解析を行った結果、本重合系、すなわち環状NMP開始剤を用いた重合系は、鎖状NMP開始剤の系に比べて、非常に高分子量のポリマーを与えることが明らかとなった。この結果より本重合系では、i)環拡大重合が進行し大環状ポリマーが生成し、同時に、ii)鎖状のアルコキシアミンを用いた系では起こらない反応、すなわちラジカル環交差反応が生じ、結果として環がさらに拡大した分子量の大きなポリマーが生じたと考えた。生成物の質量分析および生成物を開環したサンプルの構造解析からi)およびii)がそれぞれ支持された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 環拡大型ビニル重合による大環状ポリマーの合成2009

    • 著者名/発表者名
      鳴海敦、川口正剛、Sylvia Zeidler, Haitham Barqawi, Wolfgang H.Binder
    • 学会等名
      第58回高分子討論会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      2009-09-17
  • [学会発表] Azide/Alkyne-"Click"-Tethered Alkoxyamine As a Cyclic Initiator For Nitroxide-Mediated Radical Polymerization Constructing Macrocyclic Polymer2009

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Narumi, Sylvia Zeidler, Haitham Barqawi, Wolfgang H.Binder
    • 学会等名
      EUPAC2009-EPF Europolymer Conference "Click"-Methods in Polymer and Matarials Science
    • 発表場所
      Gargnano Lago di Garda-Palazzo Feltrinelli, Italy
    • 年月日
      2009-06-02

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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