研究概要 |
ペンタおよびヘプタメチレンスペーサーを有する環状2核ビス(サリチルアルジミナト)白金錯体による超音波応答性瞬時ゲル化現象を詳細に検討し、分子集合におけるキラリティ優先性がメチレン鎖長に依存して変化することを明らかにした。 メチレン鎖長5のスペーサーを有する環状2核ビス(サリチルアルジミナト)白金錯体のラセミ混合物のシクロヘキサン溶液は短時間の超音波照射(40kHz,0.45W/cm^2)に応答し瞬時にゲル化するが、その光学活性体はまったくゲル化を起こさない。一方、メチレン鎖長7の白金錯体は、これとは逆に、光学活性体のほうがゲル化能力が高いことが明らかとなった。溶液状態およびゲル状態における分子集合体のモルフォロジーと結晶パッキング構造による研究から、この選択性の違いが、超音波によって生成する分子集合核の安定性に関係することが示唆された。
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