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2010 年度 実績報告書

有機色素太陽電池の高効率化を目指した機能性有機色素分子の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 21750200
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

甲村 長利  独立行政法人産業技術総合研究所, 太陽光発電研究センター, 主任研究員 (00356966)

キーワード色素増感太陽電池 / 有機色素 / オリゴヘキシルチオフェン / HOMO-LUMOレベル / 電子ドナー部位 / 光電変換効率 / 固体型色素増感太陽電池 / 光電解重合
研究概要

これまで色素増感太陽電池に用いる増感色素として、オリゴチオフェンに種々の長さのアルキル基や酸素原子を導入したカルバゾール系有機色素を開発し、それらを用いた太陽電池セルを作製し光電変換特性を詳細に調べてきた。今回、オリゴチオフェン上のアルキル基をヘキシル基に固定し、オリゴヘキシルチオフェン電子伝達系に適したドナー骨格を探索する目的で、種々の異なるドナーを持つオリゴチオフェン系有機色素の合成を行った。用いたドナー骨格は、N-エチルインドリン、N-アセチルインドリン、N-アニシルインドリン、N-エチルインドールおよびN-アニシルカルバゾールを用いた。これらの色素群を合成し、それぞれを用いて太陽電池セルを作製し光電変換特性を評価した。その結果、比較的ドナー性が高いと考えられる色素を用いた場合においては予想に反して光電変換効率は低下し、興味深いことに、チオフェンに伸長に伴って変換効率の低下が認められた。比較的ドナー性が低いN-アニシルカルバゾールが最も高性能の色素であることが判明し、オリゴチオフェンを電子伝達系として用いる場合における最適なドナー-アクセプターの組み合わせがあることはわかった。それには色素のHOMO-LUMOレベルが関与しており、電子供与性の高いドナーを用いた場合、HOMOレベルが負にシフトし、電解液からの電子の還元が起きにくくなっているため、変換効率が低くなっていることが判明した。
また前年度報告した色素(MK-24,25)および既存の色素(MK-2)を用いて固体型色素増感太陽電池の作製を行った。セルの構造は電解液の代わりに高分子電解層を用いるもので、アルキル基の長さの違いによる光電変換特性の比較を行った。その結果、アルキル基が短い色素(MK-24)は高い色素吸着密度により高分子電解層の光電解重合を促進し、ヘキシル基やドデシル基を持つ色素に比べ高い光電変換効率を示すことがわかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] オリゴチオフェンを有するカルバゾール系およびインドリン系有機色素の光電変換特性評価2011

    • 著者名/発表者名
      楮山真吾, 三浦偉俊, 甲村長利
    • 学会等名
      電気化学会 第78回大会
    • 発表場所
      横浜、横浜国立大学
    • 年月日
      2011-03-30
  • [学会発表] 高性能有機色素太陽電池を目指した機能性有機色素材料の開発研究2010

    • 著者名/発表者名
      甲村長利
    • 学会等名
      有機合成化学協会 平成22年度(後期)有機合成化学講習会
    • 発表場所
      大阪、日本薬学会長井記念ホール
    • 年月日
      2010-11-17
  • [学会発表] アルコキシ側鎖を有するカルバゾール系色素の開発と色素増感太陽電池性能評価2010

    • 著者名/発表者名
      植村由, 甲村長利, 森正悟, 原浩二郎
    • 学会等名
      日本化学会 第4回関東支部大会
    • 発表場所
      茨城、筑波大学
    • 年月日
      2010-08-30
  • [学会発表] 色素増感太陽電池に用いるカルバゾール系有機色素の開発2010

    • 著者名/発表者名
      甲村長利
    • 学会等名
      近畿化学協会 機能性色素部会第76回例会
    • 発表場所
      大阪、大阪科学技術センター
    • 年月日
      2010-08-03
  • [学会発表] 色素増感太陽電池に用いる機能性有機色素の開発2010

    • 著者名/発表者名
      甲村長利、佐藤一彦
    • 学会等名
      日本学術振興会 創造機能化学第116委員会
    • 発表場所
      東京、学士会館
    • 年月日
      2010-06-08

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公開日: 2012-07-19  

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