研究課題
平成21年度はマイクロ波の磁場および電場を分けて照射できる装置を試作した。通常、マイクロ波は共振器を使って、マイクロ波の強度を高めることはできるが、その成分には磁場および電場が含まれる。本研究ではマイクロ波導波管内部で定在波を発生させることで、導波管内部の空間に磁場および電場の極大点を発生させることに成功した。実験には、試作したアイリス、スリースタブチューナ、プランジャーを用いることで定在波を発生させた。また、それらの最適化には電磁界シミュレータによる計算結果を参考に最適なサイズや位置関係を予想した。また、サンプルに磁場または電場が優先的に照射されていることを確認するため、電場強度計も試作した。市販のものは電界を広い空間の平均で測定するものであるが、本試作装置は電場をプローブで測定できることから、1mm程度の範囲の電場を測定できる工夫をした。試作したマイクロ波照射装置と測定機を用いることで、マイクロ波の磁場または電場がサンプルへ非常に高い精度よく照射することができる。石英で作成した反応管を用いて試作した装置の性能を調査した。サンプルの誘電率や温度変化により電磁界分布が変わるが、サンプルの位置の電磁界が分かることから、それに合わせて、チューナーやプランジャーの微調整を行うことができ、その調整は人力でも十分に対応できることが分かった。この装置を用いてモデル反応を行い、それらは海外や国内の専門誌で報告した。本研究で試作した装置はほとんど例がなく、また化学反応に対するマイクロ波の磁場および電場の効果についての知見がないことから社会的なインパクトが高いことが分かった。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件) 学会発表 (9件)
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