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2009 年度 実績報告書

溶融エレクトロスピニング法による新規ナノファイバーの調製法の確立とその物性評価

研究課題

研究課題/領域番号 21750215
研究機関金沢大学

研究代表者

河村 幸伸  金沢大学, 自然システム学系, 助教 (20377401)

キーワードポリオレフィン / ナノファイバー / エレクトロスピニング / 力学特性
研究概要

従来の溶融エレクトロスピニング法では、押出機の先端に注射針を装着し、その注射針とターゲット間に高電圧をかけることで紡糸してきた。この場合、試料の加熱は押出機に依存しており、熱劣化を避けるためにあまり高温にすることはできなかった。本研究では、この加熱部に赤外線ヒーターを用い、試料上に焦点を結ぶようにヒーター部を改良した。この改良により、試料先端のみを選択的に加熱することができ、比較的高温における紡糸が可能となった。実際にイソタクチックポリプロピレンを原料として紡糸した結果、これまで紡糸困難であったフィルムグレード等の分子量の比較的高い試料についても良好に紡糸できることが確認できた。
紡糸時の温度や電圧等の紡糸条件が与えるファイバー径への影響を検討したところ、低電圧であるほど平均ファイバー径が細くなる傾向がみられた。また、紡糸温度が高くなるほど平均ファイバー径は細くなるものの、球形に飛散したビーズが多数観察されるようになった。これらの紡糸条件を最適化することにより、最小径で50nmのナノファイバーの紡糸に成功した。また、平均径でも800nmレベルまで細くすることに成功しており、今後、さらなる最適化を行うことで、平均径が100nmを下回るナノファイバーの紡糸を目指す。
また、熱測定や力学測定の結果、紡糸された試料はメソフェーズ相を形成していることが明らかとなった。これは、本系が局部的な過熱を行える赤外線ヒーターを導入していることに起因している。メソフェーズ相を有するポリプロピレンは延伸しやすく、紡糸後の延伸により、さらにファイバー径を細くなる可能性が示された。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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