前年度の研究に引き続き、重量平均分子量26万のイソタクチックポリプロピレンをターゲットにし、平均直径でサブミクロンレベルのファイバーを作製することを試みた。 本土特に注視した点は、大容量のヒーターを用いることで、紡糸温度を高温にし、より効率的に紡糸を行うことを試みた。狙い通り、溶融温度を高温にすることで溶融時の粘度が低下し、紡糸効率は飛の躍的に向上したものの、平均ファイバー系はミクロンオーダーのファイバーしか防止できず、かつ、ビーズもかなりの数、観察された。 一方で、ヒーターと資料との距離を反し、雰囲気温度を上げる試みを行ったが、ヒーターの焦点を外したことで、狙い通り、直径2cmほどの広範囲に渡って160℃程度の温度を他精することができたが、逆に、焦点を外したことによる温度低下が原因となり、材料が溶融するものの、粘度が高すぎて紡糸できない状況になった。 高容量のヒーターを導入することで、ファイバー径に与える紡糸温度の影響を明らかにすることができた。紡糸温度を上げるほどファイバー径は太くなる傾向を示したが、260℃を超える高温になると、逆にファイバー径は細くなる傾向を示した。GC測定の結果より、高温におけるファイバー系の減少は、試料の熱分解により分子量が低下することに起因することがわかった。 紡糸温度の実験から、現行の重量平均分子量26万の試料よりもさらに分子量を低下させることで、更なる微細化が可能であると考えられる。
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