バイオベースポリマーをテンプレートとするタンパク質空間規則的局在化技術の確立することを検討した。多糖類水溶液相分離系では束縛空間の形、温度、濃度を変えることによって、形状の異なる模様を持ったゲルを得ることに成功した。また2成分の多糖類のゲル化を使うことで直径10μmの微粒子中にグルコースオキシターゼとカタラーゼが局在化した粒子を作成することに成功した。脂質混合相分離系においては、リン脂質を用いたリポソームの表面上で2成分からなるリン脂質の相分離挙動を確認した。相分離を誘起させる手段としてリポソーム内側と外側の水溶液のイオン強度及び、pHを変化させた結果、リポソーム内部のリン脂質とリポソーム外部の脂質のパッキングの違いによりリポソーム自身の変形が起こることが分かった。コレラ毒素タンパクVCHは単分子膜上で脂質混合膜を相分離を誘起させ、コレステロールリッチ相にのみVCHが局在することが分かった。
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