研究課題
本研究課題である低屈折率ポリマーの開発手法として、モノマーの持つ空孔と多分岐骨格による分子内空隙といった分子の構造の利用した、分子の低密度化により低屈折率達成を目指す。大きな空隙を有するハイパーブランチポリマーの合成を目的としてp-tert-ブチルカリックス[8]アレーン(BCA[8])と酢酸クロリドとの反応により部分アセチル化された多官能性モノマー(BCA[8]-OH_<3.5>)を合成し、その後、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(BPGE)とBCA[8]-Acとの重付加反応により、ハイパーブランチポリマーの合成条件について詳細に検討を行った。さらに、得られた重合条件に基づき、末端にメタクリロイル基を有し、主鎖にBCA骨格を有するハイパーブランチポリマーの合成とそれらの光反応性および屈折率特性について評価を行った。得られたポリマーの屈折率特性について評価を行ったところ、対応する直鎖状ポリマーおよびハイパーブランチポリマーと比較してカリックスアレーン骨格由来の環状構造の影響と思われる屈折率の低減を示した。10個の炭素がダイヤモンドの構造と同様に配置され機械的強度に優れているアダマンタン骨格を主鎖に有する含フッ素ハイパーブランチポリマーの合成と、得られたポリマーの熱特性および屈折率特性について検討を行った。得られたポリマー屈折率はn_D=1.47-1.50の範囲で反応溶液濃度の増加に伴い上昇した。また、分子量分布も濃度の増加に伴い増加していたことから、ミクロゲルの生成による、屈折率の上昇を示唆していると考察した。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)
Polym.J.
巻: 43 ページ: 325-329
巻: 42 ページ: 799-803
巻: 42 ページ: 852-859
J.Polym.Sci., Part A : Polym.Chem.
巻: 48 ページ: 5746-5751